どうも、なびるなです。
さて、皆さん。
奈良で観光と言ったら何を思い浮かべるでしょうか?
私見ではありますが、神社仏閣と答える人が9割9分でしょう。
残りの1分は鹿か吉野の桜と答えるでしょう。
じゃあ、奈良で一番な観光地と言ったら何でしょうか?
これも皆、口を揃えて答えるでしょう。
そう!
橿原市昆虫館とね!
みんな大好き橿原市昆虫館(なびるな調べアンケート総数1)
果たして橿原市とは?その実態に迫る!
古の都「奈良」、古代において日本の中心であり、その栄華を誇ったエンシェントシティ「NARA」。
ただ、奈良県橿原市と言ったら知名度は若干下がってしまうのではないだろうか?
そう危惧した私なびるなの筆により、まず橿原市について少々語らねばならぬこと失礼する。
橿原市というのはそもそも、
天皇発祥の地である。
知らないなどとのたまった者どもは不敬であると知れ。
貴様らに日本を語る資格などないわ。
そう橿原市にある橿原神宮は世界に現存する唯一の皇帝国家である日本におけるファーストエンペラーこと初代天皇神武天皇の御座した畝傍橿原宮跡地に建立された神宮である。
つまり、名実ともに日本という国はこの橿原市で始まった国なのである。
そんな由緒正しい橿原における、いや、世界に名立たる一大観光スポットこそが、
橿原市昆虫館なのだ!
最近、Twitterも始めたので橿原市昆虫館(公式)も要チェックだ!
ちなみにこのへんの橿原知識は平日昼間にふらっと橿考博(橿原考古学研究所附属博物館)に行ったときにヒマな若者が来たと感付いた館員のおっさんにオリジナルの資料ファイル片手に1時間つきっきりで吹き込まれた情報である。皆さんも平日昼間の観光地には是非気を付けていただきたい。
橿原市昆虫館への掴めプライド!掴めアクセス!
さて、この橿原市昆虫館へのアクセスだが、どこの駅からも若干離れた位置にある。
そこで私がオススメしたいのは日本各地よりアクセス最高な駅こと「大和八木駅」からレンタサイクルすること。
こと古都である橿原、というか奈良あるあるなのだがそのへんの道端を移動していてなんかこんもりしてる気がしたらそこは古墳である。
こんなところをサッと通り抜けてしまうのは勿体ない。いつでも気軽に寄り道できる身軽さを欲すればこそのレンタサイクルという選択肢である。
まぁ、駅から当然バスは出てるんだけどさ。
さぁ、八木から出発して今井町とは逆方向に走り出す。
すると途中、日本最古の都である藤原京が見えてくる。
いや、見えてこない。
いや、見えてくる。
しかし、見えてこない。
一体、貴様は何を言ってるのだ。とうとう頭がおかしくなったのかと思った読者諸君、安心していただきたい。
某有名カードゲームマンガの中にこういう問いかけがある。
「見えるけど見えないモノとは何か?」
その答えこそが藤原京だ!
これが日本最古の都!藤原京だ!すごい!何もない!
藤原京はそこにあったということがはっきりしているだけで今は何も存在しないのだ。
藤原京を見て、太古のロマンに想いを馳せることができたとしたら、そいつは大層頭がお花畑である。いや、実際には原っぱなんだけど。
この藤原京という都は天皇宮が敷地の中心に位置しており、その為、天皇様よりも北でトイレした人達の排泄物が水路を下り、天皇様にこんにちはしてしまうという設計上のケアレスミスをしてしまった結果、わずか16年で平城京へ遷都する羽目になったという哀れな都である。いやぁ、橿考博のおっさんの話はためになるなぁ!
さて、
突然ですが、皆さんは万葉集を嗜んでいるだろうか?百人一首でも構わない。
先に言っておくが、私は嗜んでいない。全然知らない。
藤原京まで辿りついてしまっている時点で、橿原市立かしはら万葉ホールはすでに通り過ぎてしまっているわけだが、万葉集・百人一首を嗜んでいない私でもそらで言える句が数句ある。
その中の一つにこういう句がある。
春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
(春過ぎて 夏きたるらし 白妙の 衣ほしたり 天の香久山)
これは持統天皇という天皇が詠んだ句である。
百人一首ver.と万葉集ver.で微妙に違いがあるらしい。知らんかった。「衣ほしたり」って忍足っぽいね。そういうテニプリの同人誌ありそう。
この持統天皇というのが在位している時に、例の藤原京が作られたらしく、まったくもって所縁のある句と言えるわけで、当然、藤原京から天の香久山を見ることができる。
そう、じつは天の香久山ってのは実在する山だったんですねぇ、”天の”なんてついてるから幻想の世界の産物かと思ってる人も多いのではないだろうか?
つまるところ実在の怪しいほど神秘的でありながら、日本歴代でもスーパー全国区の山であるということは自他ともに認められるのがこの「天の香久山」という山なわけである。
その天の香久山内に鎮座する施設こそが、
橿原市昆虫館である。
こんな全国区立地に存在する施設が全国区であることは言うまでもない
藤原京跡地から橿原市昆虫館へと走っていくと道沿いに柵がある。
よく見ていただきたい。
この柵にはとある仕掛けが施されている。
進行方向から見ると昆虫の絵が見えるのだ。
真横から見ると昆虫が見えずに前から見ると現れる昆虫の絵。
私はこの柵が大好きだった。
幼い頃、長期休暇になる度に祖父母の家に預けられていた私は、いつもおばさんに連れられ、橿原市昆虫館へ行っていた。
そして、この道を通ると不思議なことに昆虫の絵が現れて、「昆虫館にやってきたんだ!」という気持ちが湧いてくる、そんな高揚感の増す柵なのだ。
今にして思えば、一定方向から見えるように塗ってあるというだけの話だとは、子どもの頃はこれが不思議で堪らなかった。
ここで正直に告白するが、ここまで八木だの、藤原京だのウダウダ言っていたのは、この道を通ってほしい一心だ。
私はこの道を通るのが本当に好きなのだ。
ストリートビューではイマイチ感動が伝わらないので、これは是非、実際に歩いて見ていただきたい。
さぁ、あとは坂を登れば、橿原市昆虫館へ到着である。
昆虫館に着くとまず、前に入ってくるのが壁にへばりついている巨大な甲虫達である。かっこよすぎて否応なしにワクワクさせられてしまう。
やっとたどり着いた橿原市昆虫館!
なんだか、ここに来るまでに随分と寄り道をしてしまったような気がするが、何はともあれ、とうとう橿原市昆虫館である。
トンボの日時計
橿原市昆虫館の入場料は
・大人520円
・学生(高校・大学)410円
・小人(4歳から中学生)100円
・小人(4歳から中学生)100円
いやぁ素晴らしいね、子どもは100円ですって奥さん!これはすぐにでも連れていくしかないですよ!
年間パス等のサービスは残念ながらない。
一昨年の話になるが、私は2週間ほど奈良に逗留していた時期がある。
その時は、2週間の間に4回昆虫館に行ってしまったので切実に年パスが欲しいと思ったものだ。
さぁ、中に入ってみよう。
この昆虫館、異常にボリュームがあるのではあるが、フロアは大きくわけて、
標本→生きてる→温室→新館→温室→温室→温室→温室
と、分かれている。
まず、昆虫館に侵入すると待っているのは標本ルームだ。
ここは正直、焦れったい。
良い展示である。これは間違いない。
世界各地の標本が地域別に並んでいて壮観であるのは間違いない、間違いないのだが……。
これは完全に橿原市昆虫館プロフェッショナルになってしまった私のせいなのであろう。
いつ見に来ても残念ながら標本というのは変わり映えがないのでどうしても飛ばしてしまいたくなる。
初めて来る友人、つまり橿原市昆虫館ビギナーが標本でもたついていると「早く!早く次のルームへ!」という気持ちが抑えきれなくなってしまう。
だが、こっれはあくまで来すぎている人間の戯言だと思って流してくれていい。
昆虫館の名誉のために言わせていただくが標本展示も単に標本だけでなく各種展示も凝っているし、素晴らしいところだ。しかし、もう逸る気持ちが抑えきれないので次の説明に入らせていただく。写真もないし。
さぁ、やってまいりました生きてるゾーン。
ここでは生きてる昆虫を見ることができる。生きてるってことは館員が毎日毎日手間かけて育ててるわけですよ。
タガメ!かわいい!素敵!
生きてる昆虫を間近で見られるのは素晴らしいことだ。でも間近っていっても限界があるんでしょう?と思ったそこの貴方!
当施設にはスーパーハイテク設備があるんです!
その名も観察カメラ!
これは飼育ケースの中にカメラが設置してあり、これをレールに沿って操作することで虫の目線で虫を観察することができるというスーパーハイテクなマシーンなのである。こんなの子どもが大喜びすること間違いなし!
ボク、子どもいないけど!大人だけで橿原市昆虫館来てるけど!
超接近!これがカブトムシ目線のカブトムシだ!後ろは友人!
これが面白いんだけど、やっぱり小さなお子さんがいるときは遊ぶのを躊躇っちゃうんですよねぇ、まずは子どもに楽しんでほしいのでね、で、超人気アトラクション、夢の国なら3時間待ち!みたいなレベルなのでまぁなかなか長いことやれない。
あと、大体、何台か常に壊れている。
いつ行っても1台か2台壊れている。そりゃガチャガチャやるから仕方ないよね。うん。
このnoteで稼いだらカメラ直せるように寄付しよ……。
いや、ホントにいつも壊れてるんだよ……。
あとはひたすらミツバチが帰ってくるのを見守るゾーンも、標本と生きてるゾーンの間にある。
ここにミツバチがたまーに帰ってくる。一日張り付いて見張ろう!
ここはミツバチが行って戻ってする様と巣の中に入ってるカメラで巣の様子を観察できるのだ。
地味だが、意外とおもしろい。ここのカメラは壊れてない。
続きまして、温室を突っ切った先に新館がある。
こちらは新館というだけあって、新しくできた施設。
私が小学生だった頃はなかった。
そういえば、小学生の頃は昆虫館の外に出店みたいなお土産コーナーみたいなものがあった気がするんだけど、今は何もなくなってるからそこにできたんかなぁ?ちょっとこれは知らないので、関係者さんに聞いてくれ。
この新館はあとから付け足したせいでアクセスが悪い。
温室を通らないと辿りつけない。
しかし、実際には辿りつけない方が親切なのかもしれない。
何故ならそこには、世界のゴ●●●の展示があるからだ。
世の中、不思議なものでゴ●●●に対して強い嫌悪感を示す人類が一定数存在する。
なので、そういう方はあまり、新館には立ち寄らない方が良いかもしれない。
ただ、悪趣味なことに橿原市昆虫館は土日や長期休みなら色々な体験をやっているのだが、その体験コーナーはなんと新館の奥の奥にあるのだ。
絶対に世界のゴ●●●コーナーを通り抜けないと体験コーナーに辿りつけない仕組みになっている。全国のお母さん!がんばれ!
ゴ●●●というのは世界各地におり、姿かたちは地域によって異なっているが日本に普通にいるゴ●●●が一番気味が悪いと思う。なんか他の地域のやつ、特に自然に近い場所に住んでいるのはもっとフォルムが丸々としており愛嬌がある。
ちなみに、ここでの話ではないのだが、以前に私は唐揚げを食したことがある。
味は存外悪くない。
食レポをさせていただくと油で揚げているのだから大体は同じように外はカリっとしており、噛むと中からドロッとした液体が口の中に広がる。味は枝豆に似ているなと思った。脚が歯に挟まる。
昆虫食は宇宙食の可能性と言われているように高タンパクかつ量産が容易であることから非常に研究が盛んなジャンルである。
コロナ騒ぎが治まった時、世界の食事情はガラリと変化しているかもしれない。
もしかしたら、昆虫食は世界スタンダードになっているかもしれない。その時、見た目で忌み嫌わぬように今から練習しておくのはいかがだろうか?
昆虫食のメッカである長野は伊那に住む友人は「今、こんなおいしいものがいっぱいあるのにわざわざ虫なんて食わねえよ!」と言っていたが、いつまでそう言っていられるかな?
脱線してしまった。
さて、あとは橿原市昆虫館のメインコンテンツ、世界の誇る一大インスタスポットである温室の紹介である。
ここが蝶の楽園!
ここが温室である。
見ての通り、色々な植物が植わっており、すがすがしい空気のマイナスイオン空間である。なんやねん、マイナスイオンって!なんでそんな不安定な状態で原子が存在してんだよ。
植物が植わってるからなんだってんだ、こちとら虫を見に来てんだ、葉っぱなんて吸える葉っぱ以外価値ねえっつの、と言わずにちょっと良く見てほしい。
お気づきでしょうか?
蝶が飛んでおりますね?
どういうことでしょうか?どこかから迷い込んでしまったんでしょうか?
いえいえ、ちがいます。
この蝶達は、
放し飼いされているんです。
あの蝶もこの蝶もあの蝶もそしてこの蝶もみーんな温室内で放し飼いにされているんですよ。
さっきのカメラで興奮していたボクがバカに思えてくるくらい、いくらでも近づいていいんです!夢のような世界じゃないですか!
※放し飼いにされている蝶の羽が傷ついてしまう為、絶対に触れてはいけません。目で愛でましょう。
これは2018年2月5日の温室で飛んでいる蝶リスト(情報が古い)
行く度に見つけてやろうと意気込むのだが、全部見つけられた試しがない
珍しいのを見つけたら大興奮で写真を撮る(ブレブレ)
もうこれはインスタ映えスポット間違いなしなんですねぇ、撮れるのはハエじゃなくて蝶だけど。
橿原市昆虫館の、特にこの温室は延々に見ていられる。これが、30年栄華を誇り続ける橿原市昆虫館の神髄というわけよ!
さて、ここまで橿原市昆虫館の魅力を語らせていただきましたが、奈良というのはやはり歴史浪漫の都であるという印象は拭えないわけです。
そんな奈良に家族で旅行に行ったとき、あるいは友人達で遊びに行ったとき、歴史浪漫にあてられるのも素敵なことではありますが、やはり、どこかアクセントが欲しいとは思わないでしょうか?
子どもはお寺に行っても正直、退屈です。私も子どもの時分は退屈でした。
大人になってもそういうところばかりは退屈だって人もいます。
そんなとき、橿原市昆虫館のことを覚えていれば、「よし!気分転換に次は昆虫館にするか!」となれるわけです。
幸いにもこの橿原市昆虫館、橿原市であることはもちろんのこと、飛鳥にも近いので自転車30分圏内で橿原神宮も石舞台もキトラだっていける。行けたはず。
歴史は過去の産物、今はもう姿を変えることはできないが蝶は羽ばたき、刻一刻とその姿を変え、我々の眼前を優雅に舞う。
その刹那を切り取ることが今、目の前にいる君にしかできないことであり、蝶のように舞うのはモハメド・アリ、それは君だけの思い出になり、写真になる。
古都を巡り、写真に撮るのもいい。勿論。
しかし、この蝶の、橿原市昆虫館での写真はどこぞの使い古された構図の写真なんぞより、よっぽど個性豊かで魅力的な写真となりえるのではないのだろうか?
そういう意味でも無機質な歴史浪漫にかぶれ続ける奈良における有機的な生命の脈動こそが、奈良においてあえて、”今”を生きるという証明となるのではないだろうか?
そういう”今”の思い出が古都の歴史を感じに来た貴方のアルバムに数枚混ざっていても良いのではないだろうか?
私はそう思うわけです。
皆さんも奈良にお立ち寄りの際には是非、橿原市昆虫館にお立ち寄りください。
橿原市昆虫館(https://www.city.kashihara.nara.jp/article?id=5c52229d65909e2ebea90610)
営業時間:4~9月 AM9:30~PM5:00 10月~3月 AM9:30~PM4:30
休館日:毎週月曜日
公式Twitter:橿原市昆虫館(公式)@KashiharaKonchu
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